友好色?対抗色?多色?単色? By Kawasaki Daisuke

斎藤「ウィザーズに踊らされてましたね!」


 本日のシールド構築記事で、また、昨日の板橋プレリで筆者が個人的にインタビューしたときにも「この環境は友好色で5種類しかないから、シールド構築が簡単すぎて技術がでない」とこぼしていた斎藤友晴。さらに激突のようなライブラリー操作要素も少ないため、技術介入度の低い運ゲーになるのではないかと懸念していた。


 しかし、今日、さらにシールドの実戦を積んだことで、そう話は簡単ではないと気がついたという。本人の言葉を借りれば「まだ、運ゲーかを語れるレベルではなかった」ということだ。


斎藤「白緑のデッキだったんですけど、ピンポンパン(《増え続ける荒廃》をどうしてもやっぱり使いたいなと思って、白黒にタッチで真ん中の青いれてみたんですよ…そしたら、デッキが圧倒的に強くなりました)」

 とのこと。カードプールによっては、対抗色でのデック構築も十分にあり得るのではないかということで、今回の環境は、見た目ほど一筋縄ではいかないということだ。


 そして、それ以上に一筋縄でいかないのが、ドラフトである。

 さきほど、日本チャンピオン北山雅也が未知の環境に翻弄される姿をお伝えしたが、その後にドラフトをおこなった中島主税や大塚高太郎も、やはり「この環境は難しい」と語る。

中島「レア取りをメインにして、パワーカードを中心にした青白のデッキをつくったんだけど…クリーチャー1体しか展開できないうちにまけちゃったよ…」

 とのこと。確かに《畏敬の神格》をはじめとして、おどろくべきパワーカードにあふれたデッキだったが、しかし、その本領を発揮できないうちに敗北したという。


中島「思っていたよりも、圧倒的にテンポな環境かもしれない。特に、各色のオーラが強力で、それだけで、いきなり二回りくらい大きなクリーチャーがでてくるから、それでポコポコ殴られているだけでまけちゃうね。」

 ここのところ、オーラが大々的にフィーチャーされることも少なかったが、今回は、コモンに5種類の強力オーラが存在するため、環境を圧倒的に決定しているという。


中島「こっちも、クリーチャー1体しかいなかったわりには、《神格の鋼》がついたその1体だけで逆転できたかもしれなかったしね。…まぁ、あいてがブン回りすぎて、ダメだったけどね…」


 その中島をブン回りで打ち破ったのが、「元」日本チャンピオンの大塚高太郎である。

 そんな大塚のデックなのだが…なんとものすごいコンセプトだという。


大塚「《石の顎》ひいたのがうれしすぎて、思わず赤単にしてしまいました!」

 なんと、多色推奨エキスパンションと思われたこのシャドウムーアにおいて、単色とは!


 しかし、大塚の話を聞いてみると、なるほどと思わされる部分もある。

大塚「例えば、友好色2色でデックをくんだ場合、トリプルシンボル以上の混成カードは、実質その組み合わせでしか使えないわけじゃないですか。でも、単色だと、友好色どちらも使えるので、倍のカードが使えるのです」


 なるほど、確かに、シャドウムーアのメインのコンセプトは「多色」ではなく、「色」であり、「混成」だ。

 それを考えれば、単色、もしくは単色にタッチというのも十分に考慮に値する構築である。なにより、《石の顎》をはじめとした、各色の基本地形の枚数を参照するスペルの効果が飛躍的に高まるのだ。

 どれぐらい狙ってできるかはまだまだ研究の余地はあるだろうが、選択肢として頭に入れて置いても損はないだろう。


 そういえば、先ほど、ライターの清水が紹介していた「ライブラリーアウト」デックをドラフトで構築した渡辺雄也も「ちょっと、ライブラリーアウトカードが足りないですね…これは結構研究しないときちんとくめないかもしれない…」というように、まだまだ発売前だけに未開拓の分野も多いようだ。


 まだまだ、未知の部分も多いシャドウムーアリミテッド。しかし、未知だからこそ面白い部分もあるだろう。

 みなさんも、ぜひ挑戦していただきたい。


 余談だが、冒頭で紹介した斎藤のデックだが…なんと最終的には《溺れさせる者の信徒》を中心とした青黒ライブラリーアウトデックになっていた。


斎藤「けっこう面白いカードプールでしたね。」